fetiquette - フェチを通じて病気や怪我でさえ価値あるものに

心臓フェチな人。フェチを応援するサービス(フェチマッチング・コンテンツ販売サービス)を開発中。「フェチ」は美点だけではなく、病気や怪我、コンプレックスでさえ価値のあるものに変換してしまう他に類を見ない分野だと考えています。 https://fetiquette.io/

"フェチ"は、病気や怪我でさえ価値になる世界的なマーケットプレイスを生み出す

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こんにちは、心臓フェチのHimmeliです。

私は、人種・性別・国籍に関係なく、誰もが理想のフェチコンテンツを購入/販売できる社会の実現を目指して、フェチのオンラインマーケットサービス「fetiquette」の開発を行っています。

もっと具体的に言うと、
・「心臓病の人が、自身の心音を心臓フェチに販売して治療費を得られる」
・「身体障がいを持つ方が、自身の写真集を欠損フェチに販売して義手の製作費用を稼げる」
といったように、フェチを通じてユーザーの個性に価値を付与して提供・社会的貢献ができるようなサービスを開発しています。

 fetiquetteに投稿いただいている作品のサンプルや、サービスの概要紹介については、公式Youtubeチャンネルもありますので良かったらチェックしてみて下さい。

www.youtube.com

本記事では、そもそもフェチとは何だろうという所からはじまり、fetiquetteを開発するに至った経緯や、私自身のフェチについての思いなどを記載します。

フェチの多様性こそが人類独自の文化を生む

皆さんは何かフェチをお持ちでしょうか?

私は仕事上、よく「フェチって何ですかね」と聞かれます。

まずは正式な定義から参照してみよう……ということで「実用日本語表現辞典」でフェチの項目を引いてみると、以下のような記載となっています。

異性の身体的あるいは装飾的なパーツ(部分)や要素に対して特に性的魅力を感じる傾向・嗜好・趣味・性癖といっ た意味で用いられる語。

この説明を見ると、性的嗜好としての記載がなされていますね。異性に限定するところとか特に…。実際、日本語で「フェチ」と検索すると女性の内容ばかりがヒットします。

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でも、この辞書をもう少し読み込んでみると、下記のようにも記載されています。

フェチはもともと「フェティシズム」(fetishism)を略した語である。フェティシズムは、そもそもは「モノに神聖や呪力を見出して崇める」という信仰・崇拝の在り方を意味する。「呪物崇拝」「物神崇拝」とも訳される。

次にフェチの語源であるポルトガル語の「フェティソ」で検索してみると、今度は呪術的な内容のみがヒットします。

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つまり、フェチは以下の2つの側面を併せ持つことになります。

・人間の身体や衣装、それに付随する状況といった要素に関する嗜好

・モノや存在そのものに対し、尊敬や憧れの念を抱く感覚そのもの

私が考えるフェチというものはまさにこの両方から成っていて、もっと簡潔にすると、「あぁ……尊い……す、好きぃっ……」ってなる感じだと思っています。

単語で表現するなら、「愛」とか「拘り」、「憧憬」、「興奮」、「大切」、「人生」、「アイデンティティ」……それがフェチかな、と思っています。その人に本来備わっている「生まれついての好み」とかも近いのかも。

そう考えると、世の中は割とフェチで出来ていることがなんとなく見えてきます。

・文学や芸術の多くはフェチから生まれている(例:Lolita, 会田誠の作品など)

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ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。舌の先が口蓋を三歩下がって、三歩目にそっと歯を叩く。ロ。リー。タ。
――ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』 ※注釈:「ロリコン」の語源です。

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会田 誠は、日本の現代美術家である。「取扱注意の作家」とも呼ばれ、美少女、エログロ、ロリコン、戦争、暴力、酒の賛美など、社会通念や道徳心に対するアンチテーゼを含む、センセーショナルな作品で知られる。
――Wikipedia

・中国の纏足(てんそく)文化や首長族の首輪文化なども「フェチ」が発祥

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纏足文化ができた原因は、小さい足の女性の方が美しいと考えられたからである。小さく美しく装飾を施された靴を纏足の女性に履かせ、その美しさや歩き方などの仕草を楽しんだようである。
纏足は男性の性欲を駆り立てるものであり、女性は夫や恋人以外の男性には纏足を決して見せることはなかった。男性は纏足女性の足の指の間にアーモンドをはさんで食べたり、足の指の間にはさんだ器の酒を飲んだりした。このようなことから、蒙昧な時代には纏足を施していない女性には嫁の貰い手がなかったという。
――Wikipedia

つまるところ、フェチの多様性こそが人類独自の文化を創出してきた、ということになります。そして実際に、ありとあらゆる人やモノ、要素に対してのフェチが存在します。以下は、私がこれまでフェチフェスやデパートメントHなどで行ってきたフェチアンケートの結果です。

 「筋肉フェチ」や「血管フェチ」などの一般的に知られているものはもちろん、「欠損フェチ」「人肉フェチ」「死体フェチ」「病弱フェチ」なども多いことを分かっていただけるかと思います。また、私の個人的な知り合いには、「毛穴・角栓フェチ」や「にきびフェチ」がとても多いです。これまで話を聞いてきた方の中には、「指の骨を折られるのが好き」なんて骨フェチの方もいらっしゃいました。

これを鑑みて見れば、フェチは「病気や怪我、コンプレックスでさえ幸せの要素に変えてしまう」という特筆すべき特徴を持っていることになります。

心臓フェチの私にとっては、不整脈がとても価値のある心音です。そして実際、世の心臓フェチの半数以上は、「不整脈が特に好き!」という方のようで、私のサービスでは下記のように不整脈を含む心音が実際によく売買されています。
※ 作品の違法転載を防止するために、購入にあたっては本人確認処理が必要です。

売れ筋という意味では、「お腹の音」も非常に人気です。
お腹の音フェチにも、「空腹音がいいよ派」と「消化音がいいよ派」があるなど奥が深いのですが、それは今後の記事で紹介していけたら……)

ここまで、あえて濃いフェチを紹介してきましたが「タオルの質感が好き」「廃墟の雰囲気が好き」といったものも、立派なフェチだと私は思っています。今はASMRなどの音フェチ動画も脚光を浴びていますね。

あなたのその「尊い……」も、きっとフェチです。

 

私が解決したいこと

さて、ここまで読んで、「え……死体フェチ……? 怖い……」とか、「心臓フェチ……? 仲良くなったら心臓抜かれたりしそう……」とか、「欠損フェチって……不謹慎じゃない……?」などといった感想を持たれた方もいらっしゃると思います(心臓抜かれそう、は実際よく言われます……)。

また、世の中一般的にはフェチというと、「変態的なこと」といったニュアンスで捉えられることも多いため、「結局はエロいことなんでしょ?」と思われている方もいらっしゃるかと思います。

私としては、そうした感情を否定する気はありません。各フェチの中には、個人レベルでは法を犯してしまうような人もいらっしゃるかも知れませんし(それはいわゆる「普通の人」だって同じです)、そのフェチがエロに関連することもままあるでしょう(私にとって、心音はとてもえっちなものです)。

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ただ、前述した通り、フェチは「愛」「憧憬」「大切」「アイデンティティ」、「生まれついての好み」……そういったものであり、生きる理由の一つでもあるのです。なので、正面からフェチを否定されると、本気でへこみます。私以外にも、例えば、車に恋をした「車フェチ」の女性が、周囲から変な目で見られることに苦悩していた実例もあります(探偵!ナイトスクープ「クルマに恋した女」)。

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時と場合、状況にも依りますが、好きなものを好きだと言う権利は誰にだってあるはず……個人的にそう感じています。

なので、社会一般「フェチそのもの」に対する負の方面の偏見などを、少しでも減らせたらいいな、と私は考えています。また、そうしたマイノリティの皆さんが安全にフェチ活動を行いつつ、同士を見つけるのを支援していけたらいいな、とも考えています。

まとめると、私がfetiquetteというWebサービスを立ち上げたのは以下の理由からです。

・誰もが理想のフェチコンテンツを安全に購入/販売できる場を作りたい
・フェチを通じた社会貢献ができるようにしたい
・他人の目を気にすることなく自分の生きがいを満たせるようにしたい
・安全にフェチ活動を行い、同じ嗜好の仲間と出会えるようにしたい
・フェチ作品の転売、転載などの違法活動をなくしたい

前述したように、フェチは美点だけではなく、病気や怪我、コンプレックスでさえ価値のあるものに変換してしまう他に類を見ない分野です。上記目標の実現のために今後もサービスを運営していきますので、もしよければ本記事のシェアなどで応援していただければ幸いです。

なお、fetiquetteではフェチイベントの開催支援や、フェチ作品撮影のための機材の無料貸出なども行っています。fetiquetteでは参加者の身分確認を行うので、安全なイベント開催を実現できますし、4KカメラやAMSR収録用の立体音響マイクを使っての撮影のお手伝いも可能です。こうした内容にご興味おありでしたら、お問い合わせや機材貸出ページをご参照ください。

 さて、次回以降の記事では、各種フェチについて私が見聞きしたことをまとめていけたらと思っています。もし心臓フェチについて興味がある方は、私のTwitterアカウントものぞいてみて下さいね。

 記事を楽しんでいただけた場合はシェアいただけたら幸いです。執筆の励みになります!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。